心理室

「臨床心理士」とは聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
「心の専門家」であり、「話を聴くこと」の専門家です。

外来・病棟入院患者さまの心理アセスメント、心理療法が主な役割です。

心理アセスメント

心理アセスメントは認知機能検査、性格検査、知能検査など患者さまに合わせて様々な検査が行われ、診断やケアに役立てられています。

最も多いのが、認知症が疑われる方の心理アセスメントです。
代表的な検査をご紹介します。

1.改訂版 長谷川式簡易知能評価スケール

認知症治療には、初期段階で発見して、治療してゆくことがポイントになります。そのため、医療や介護の現場で最も活用されているのがこの尺度です。短時間で実施できるのが特徴です。

2. 日本語版COGNISTAT(コグニスタット)

その人の現在の認知機能を客観的に把握するための神経心理学的検査の1つです。「認知症=もの忘れ」と連想する人が多いのではないでしょうか?しかし、記憶だけでなく、そのほかの認知機能も変化してきます。COGNISTATでは、さまざまな認知機能を評価してプロフィール化することにより、保たれている能力と低下している能力を知ることができます。心理検査で本人の特徴を把握することで、保たれている能力をどのように活用していくか、低下している能力をどのように補っていくのか方針を立て、日常生活や介護場面に活かしていくことができます。

患者さまへの心理的アプローチ

認知症治療病棟では、生活機能回復訓練の一環として集団プログラムを行っています。認知症患者さまには、物忘れなど知的能力が減退しても、細やかで豊かな成熟した人格を保っておられる方は少なくありません。患者さまの心理面に働きかけ、心身の安定を保つお手伝いをします。

1.回想法

患者さまの情緒的安定や活性化、自然なコミュニケーションを主な目的に、毎週同じ時間・同じ場所に集い、懐かしい思い出や気持ちをゆったりと語り合います。臨床心理士が司会進行を務め、心を込めてお話を伺います。毎回テーマを設定し、テーマに沿った刺激物を囲みながら思い出を回想し(テーマ例:懐かしい遊び、季節の味覚など)、ときに笑いや涙も交えつつ、これまでの半生を振り返る、穏やかな時間を過ごします。

2. コラージュ

コラージュとは、雑誌・パンフレットなどから切り取った写真や絵、文字などを台紙に自由に貼り、一つの作品を作ることです。認知症疾患治療病棟にて、患者さまに合わせて週1回、1グループ3~8回のペースで実施しています。コラージュ活動では作品を完成させることが目的ではなく、作品による自己表現と自分の気持ちの気づき、作品を媒介とした他者とのコミュニケーションの促進を目的としています。作品から豊かな物語が語られたり、普段は話されない過去のエピソードが語られたりと、温かい雰囲気の活動となっています。

3. その他

上記以外にも認知症治療病棟では、患者さまに合わせてさまざまな小集団活動を行っています。アロマを用いたリラクゼーションなど、入院患者さまが自分らしく過ごせるような、リラックスできる時間作りを目指しています。