後天的な脳の障害が認知症の原因になります。
脳に損傷を起こし認知機能を低下させるものならすべて認知症の原因になります。
複数の疾患が混合して症状が現れる場合も多くあります。
細胞や組織に正常では存在しない物質がたまったり、正常でも存在する物質が異 常な場所に沈着することで、細胞や組織が障害を受けて性質が変わることをいいます。
認知症の原因の多くは変性疾患で、アルツハイマー型認知症も変性疾患によるものです。
アミロイドβタンパクやタウタンパクが脳内に蓄積され、脳の神経細胞が脱落・委縮する病気です。脳の委縮が進むと、もの忘れ、失計算、理解、判断力低下などの中核症状が出現します。幻覚・妄想などの周辺症状が認められる場合もあります。病気の進行をゆっくりさせる事を目的として、ドネペジル(アリセプト®)、ガランタミン(レミニール®)、リバスチグミン(リバスタッチ®)、メマンチン(メマリー®)などの抗認知症薬が使用されます。
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって出現する認知症を総称したものです。脳の障害を受けた部位によって、まだら状の認知機能障害を呈します。その他、感情失禁、感情鈍麻、抑うつ症状などが認められる場合があります。
レビー小体型認知症とは、レビー小体と呼ばれる特殊なタンパクが脳の神経細胞(特に大脳皮質)に現れる認知症です。
進行性の認知機能障害、具体的な幻視、注意レベルや覚醒レベルの顕著な変動、レム睡眠行動障害、パーキンソン病に似た症状(筋肉がこわばり表情が硬くなる、歩行が小刻みになる、手足が震える)など、特徴的な症状が認められます。抗認知症薬の中ではドネペジル(アリセプト®)が使用されます。
前頭葉と側頭葉の脳萎縮を特徴とする認知症で以下のように分類されます。
行動異常や性格変化などの症状が特徴的で、感情のコントロールが難しく、反社会的言動、無関心、食行動の変化などの症状が認められます。
言語表出の障害が認められる認知症です。失語の特徴として非流暢性、失文法、失構音、錯語、錯読などの症状が認められます。
言葉や物の意味がわからなくなる事が特徴の認知症です。流暢に話をすることはできるが語義の理解、物品の品定障害が認められます。