認知症の症状

認知症症状は大きく3つに分類されます

1. 中核症状

脳の神経細胞が壊れてしまったことで直接生じる症状です。記憶をつかさどるところが壊れた場合、記憶障害というかたちで症状が現れます。

2. 認知症に伴う行動・心理症状(BPSD*)

主に認知機能の低下が要因となって生じる精神症状です。「認知症の行動と症状」を表す英語の頭文字をとって「BPSD」を表すことが一般的です。介護者が苦慮することが多いのがこのBPSDです。
次のように、その人が置かれている環境や人間関係、もともとの性格などが絡み合って起きるため、人それぞれ現れ方が異なります。

  • 暴力
  • 暴言
  • 興奮
  • 抑うつ
  • 幻覚
  • せん妄
  • 妄想
  • 徘徊
  • 不眠
  • 異食
  • 介護抵抗 など
*BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(認知症の行動と心理症状)

行動・心理症状(BPSD)と中核症状

行動・心理症状(BPSD)と中核症状の概念図

3. 生活障害(IADL*・ADL*

主に認知機能や運動機能の低下によって生じる日常生活活動能力の低下をいいます。

*IADL:買い物、洗濯、掃除などの家事全般。金銭管理、服薬管理、電話など(Instrumental Activities of Daily Living)
*ADL:食事、移動、整容、トイレ動作、排泄、入浴、着替え(Activities of Daily Living)

「認知症によるもの忘れ」と「加齢によるもの忘れ」の違い

「認知症によるもの忘れ」の特徴

「認知症によるもの忘れ」の概念図
  • 体験全体を忘れる
  • 新しいできごとを記憶できない
  • ヒントを与えられても思い出せない
  • 時間や場所などの見当がつかない
  • 日常生活に支障がある
  • もの忘れに対して自覚がない

「加齢によるもの忘れ」の特徴

「加齢によるもの忘れ」の概念図
  • 体験の一部を忘れる
  • ヒントを与えられると思い出せる
  • 時間や場所など見当がつく
  • 日常生活に支障はない
  • もの忘れに対して自覚がある