認知症と診断された後、初期段階においては支援の必要性が十分に理解されず、適切な支援に繋がらないケースがあります。この期間を「空白期間」と言い、社会的孤立が進み、本人の生活の質(QOL: Quality Of Life)を下げる結果となってしまう場合があります。
診断初期は、ご本人やご家族も認知症と共に暮らすことへの準備をする大切な時期であり、症状が進行する前に、認知症のことを理解し、受け止め、どう生活したいのかを考える必要があります。
当院では、もの忘れ外来を受診される全ての方の初診時に、専門の相談員(精神保健福祉士)による相談希望の有無を書面にてお伺いしております。精神保健福祉士が、地域の医療・介護関係者と連携し適切なサービスに繋げるお手伝いをさせていただきます。相談費用は掛かりませんのでお気軽にご利用ください。
町田市では、認知症の方をできるだけ早く支援することで、認知症になっても自宅で暮らし続けられるように、認知症パンフレット「知って安心認知症」を配布しております。
「認知症ケアパス」を盛り込んだこのパンフレットは、認知症をわかりやすく説明し、認知症になったときに利用できるさまざまなサービスを紹介しています。
当院では、専門の相談員への相談希望の方で、認知症と診断された方とそのご家族に、認知症ケアパスの配布、及びその説明を行なっています。
ご本人の意向や認知症の進行段階に応じ、適切な介護サービスや地域活動などの紹介や利用調整などの支援を行ないます。
認知症家族交流会や認知症カフェなど、地域の中で行なわれているピアサポートをご紹介します。
地域では、同じような立場や境遇を共にする人たちが支え合い、課題や経験してきたことを活かして仲間として支える活動が活発に行われています。
当院でも独自に家族支援活動を行なっています。
当院では、認知症の手前の段階である軽度認知障害(MCI)と診断された方に向けたショートケアを提供しています。
MCIは、認知機能の低下はあるものの、その症状はまだ軽く、日常生活にそれほど支障がない状態ですが、適切な対応を行なわないと将来認知症を発症するリスクがあります。できるだけ早期に、症状の進行を予防するための対策を行なうことが大切です。